2019/10/06

Observe the Moon Night(2019年10月5日)

10月5日は International Observe the Moon Night だということで、月の写真を撮りに出かけました。

ところがですね。私、雨女でして。

今回は雨までは降らなかったのですが、よし写真を撮ろう、ってカメラを三脚にセットした瞬間、月が雲に隠れました…


2019/10/05 20:55頃 東京 (f/4.9, 露出時間2秒, ISO-400)

本当にこの直前までばっちり見えていたのですが…。

明るい星が土星で、そのすぐ右下に月があるのですが、びっくりするくらい見えない。

1時間程度待ってみましたが、結局これ↓より見えることはなく、そのまま沈んでいきましたとさ…(´・ω・`)


2019/10/05 21:20頃 東京 (f/4.9, 露出時間2秒, ISO-400)


2019/10/05 21:20頃 東京 (f/6.3, 露出時間2秒, ISO-200)

International Observe the Moon Night とは

すごく簡単に言うと、皆で月を見よう!ってNASAが呼びかけているイベントみたいです。

 日付は毎年異なるようで、9月か10月の上弦の月の日が選ばれるようです。

Overview | Annual Event – Moon: NASA Science

実際に観測したり写真を撮ったりすることに限らず、中継で見たり、月に関するアートに触れたり…とにかく月に注目してみよう!という感じみたいなので、セーラームーンファン的にも盛り上げたいなという気持ちもありつつ。

来年までにこのブログやTwitter見てくださる方がもっと増えてたらもう少し何かできないかしら。

2019/09/02

かぐや姫の恋人に出てくる知らなかった用語メモ

私、天文学についてはただの素人なので、知らないことたくさんあるんです。
なので「それ常識じゃ…?」って内容に「そうだったのねー!わー!知らなかったー!」ってテンション上がってても許してください…(笑)

今回は、かぐや姫の恋人に出てきてるけど知らなかった用語メモ。

かぐや姫の恋人未読の方は完全版6巻に入ってますので!電子書籍版もあります!!

Amazon→ 美少女戦士セーラームーン 完全版(6) (なかよしコミックス) 武内直子

スペース・プレーン「ルナ」

今回色々調べるきっかけになったのはこちらのツイート。

「スペース・プレーン」と聞いてまず私の頭に浮かぶのは、かぐや姫の恋人で姫子さんが乗る『スペース・プレーン「ルナ」』。
なのでこのツイートを見て、「名前だけでもテンションあがるな~(笑)」くらいに思ったんです。まず。

見た目はほぼスペースシャトル(あの部分は「オービタ」というそう)なので、「スペース・プレーン」という名前は、現実のスペースシャトルとは違う架空のお話であることを強調するための名前くらいに思ってたんです。

ところが調べてみると、スペースプレーンという用語が、まだ構想中の輸送システムの名前として実際に存在するみたいで!

【参考】宇宙情報センター / SPACE INFORMATION CENTER :スペースプレーン
http://spaceinfo.jaxa.jp/ja/space_plane.html


そういわれて読み返してみると、たしかに打ち上げではなく「フライト」という言葉が一貫して使われていて、待機中の描写もスペースシャトルのように垂直にロケットにセットされているのではなく、飛行機のように滑走路で待っているような描かれ方になっている。(上記URLで説明されている二段式とは異なりますが)

きっと武内先生はこのスペースプレーンの構想もちゃんと知っていて、こういう描写にしたんじゃないかと。

とすると、私は25年間気づいてなかったけど、まだ実現していない技術が描かれていたとは…!

スペース・プレーン「ルナ」のミッションの目的も月基地(ムーンベース)での活動ということになっているので、セーラームーンの世界は現実よりも宇宙開発が進んでる世界なんだなぁと(*´ω`*)

ペイロード・スペシャリスト

姫子さんがスペース・プレーン「ルナ」(ルナ・フロンティア計画)のペイロード・スペシャリストの候補だというセリフがありまして。
知らない単語だったので調べました。

スペースシャトル計画における宇宙飛行士の役割分類のようです。

【参考】搭乗科学技術者 - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%90%AD%E4%B9%97%E7%A7%91%E5%AD%A6%E6%8A%80%E8%A1%93%E8%80%85

搭乗科学技術者(とうじょうかがくぎじゅつしゃ、ペイロードスペシャリスト、英語:Payload Specialist, PS)
(中略)
搭乗科学技術者は、実験や科学運用に専念し、スペースシャトルのシステム運用には関与しない。

搭乗科学技術者 - Wikipedia より)

【参考】宇宙情報センター / SPACE INFORMATION CENTER :スペースシャトルのペイロード・ベイ
http://spaceinfo.jaxa.jp/ja/space_shuttle_payload_bay.html

ペイロードの操作や実験などは、科学者などの専門的な知識を持ったペイロードスペシャリスト(PS)が行います。

宇宙情報センター / SPACE INFORMATION CENTER :スペースシャトルのペイロード・ベイ より)

【参考】ペイロードスペシャリストとは - コトバンク
https://kotobank.jp/word/%E3%83%9A%E3%82%A4%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%89%E3%82%B9%E3%83%9A%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%88-169021


宇宙飛行士といっても全員が操縦しているわけではないんですね。

ただ2003年のコロンビア号の事故以降は、全員が搭乗運用技術者の資格を取得して搭乗しているそうで、日本人女性でペイロード・スペシャリストとしてスペースシャトルに搭乗したのは向井千秋さんだけのようです。

かぐや姫の恋人(KCDX版)のあとがきにも出てくるのですが、1994年、向井さんの搭乗したスペースシャトルの打ち上げを武内先生も見に行ってるので、向井千秋さんが姫子さんのモデルになっているところもありそうです。

マーシャル宇宙飛行センター

姫子さんは原作では「人類を初めて月に連れてったアポロ11号の発射台の少しでも近くにいたい」という理由でケネディ宇宙センター(フロリダ州)に勤務しているみたいですが、映画版では「マーシャルから帰ってきた」というセリフがあるので、マーシャル宇宙飛行センター(アラバマ州)勤務なんでしょうか…


画像はGoogle Mapから

アポロ11号の発射台の近くにいさせてあげて…!(笑)

宇宙開拓事業団

これも最近まで知らなかったのですが、原作の翔さんの勤務先「宇宙開拓事業団」、おそらくJAXA(2003年~)の前身である宇宙開発事業団(NASDA)がモデルっぽいですね(名前的には)

ケネディ宇宙センターに行ったりするシーンがあるので、子供の頃のぼんやりした知識だとNASAのイメージが強かったのですが。

【参考】JAXA | JAXAとは
http://www.jaxa.jp/about/jaxa/index_j.html

【参考】NASDA
http://iss.jaxa.jp/kids/term/08.html

NASDA(ナスダ):宇宙を私たちの毎日の生活に役立つように利用するために、様々な活動をしています。
ISAS(アイサス):月、惑星、星や銀河など、宇宙の科学について研究するための活動をしています。
NAL(ナル):将来の航空機やロケットなどを開発するための基礎的な研究活動をしています。

(キッズ向けの説明ではありますが)活動内容的にはISASかNALの方がイメージに近いような気もします。

セーラームーン原作の中で一番初めに手にした本なので、私の人生において一番繰り返し読んでるお話だと思うのですが、25年経ってもまだまだ知らないことどんどん出てくる…!楽しい…!(笑)

2019/08/09

冥王星の地形の名前第二弾

冥王星の地形の名前第二弾が国際天文学連合(IAU)に承認されたそうです。


(Image Credits: NASA/JHUAPL/SwRI/Ross Beyer)

New Horizons: International Astronomical Union Approves Second Set of Pluto Feature Names
http://pluto.jhuapl.edu/News-Center/News-Article.php?page=20190808

International Astronomical Union Approves Second Set of Pluto Feature Names | IAU
https://www.iau.org/news/announcements/detail/ann19052/

 

画像の黄色い文字が新しく承認された名前。白い文字の名前は2017年に承認された名前です。

地名の由来は、「プルート」や「カロン」のように神話の地下・死後の世界に関する名前、先駆的(pioneering)だった宇宙探査計画に関する名前、地球上の探検において「New Horizons」に踏み出したパイオニア、冥王星やカイパーベルトの研究・探査に携わった科学者・技術者の名前などにちなんだ物になっているようです。

 

冥王星に一番大きく関係しているのだと、Percival Lowell氏にちなんだLowell Regioとかでしょうか。
「Pluto」の名前が採用された背景にはLowell氏のイニシャルPLとも一致するから、という理由もあったんだとか。

私は惑星の組成とかの話が好きなので、ソリン(冥王星・カロンの赤っぽい色のもととされる物質)についての論文を発表した科学者の方にちなんだというKhare craterとかも気になります。

最近ひたすらソ連の宇宙開発についてのWikipediaを読んでたこともあったので(笑)Venera Terraとかも「おっ」と思いました。(初めて地球以外の惑星(金星)の地表に探査機を送り込んだベネラ計画というミッションがありまして。)

 

地形の名前は惑星ごとに名前のテーマがあったりして、調べてみるとわりと楽しめます。

金星のクレーターなんかは世界各国の女性の名前がテーマなので、自分と同じ名前の地形が金星にあったりするかもですよ!

「ミナコ」は残念ながら無いんですけど(笑)

金星のクレーター一覧 - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%87%91%E6%98%9F%E3%81%AE%E3%82%AF%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%83%BC%E4%B8%80%E8%A6%A7

2019/07/28

時満ちて 光臨

カナダのオンタリオ州バンクロフト(Bancroft)で観測された火球。2019年7月24日のこと。

【参考】Bright fireball event near Bancroft, Ont. may have dropped meteorites - Media Relations
https://mediarelations.uwo.ca/2019/07/24/bancroft-fireball/

 

周辺に隕石が落ちた可能性もあるとのことで、「(小惑星の方から来てくれた)サンプルリターンミッションみたいなもの」と表現されてるのがなるほどなという感じで面白かったです。

火球とは

一般に-3〜-4等級よりも明るい流星の事

だそうです。IAU(国際天文学連合)等ではもっと厳密な定義があるようですが。

【参考】火球 - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%81%AB%E7%90%83#%E3%82%A2%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%82%B0%E3%83%AC%E3%82%A4%E3%82%B8%E3%83%B3%E3%82%B0%E7%81%AB%E7%90%83

今回観測された火球は満月くらいの明るさだったそうなので、-12.7等級くらい。かなり明るい!

【参考】満月の明るさって、どのくらい? - ウェザーニュース
https://weathernews.jp/s/topics/201809/200105/

 

そう、「火球」って別に太陽系外から来た天体のことじゃないんですよね。(というかほぼ100%太陽系内と思われる)

2017年にオウムアムアという天体が太陽系外から来たのではと大騒ぎになってたのに私がいまいちピンとこなかったのはこのせいか…
子供の頃から太陽系外から来た天体の話に親しみ過ぎている(笑)

実際はそのオウムアムアが観測史上初だったくらい珍しいことだそうです。

なのでもし実際にキンモク星(太陽系外の星)からプリンセス火球が地球に来て、火球として観測されるなんてことがあったら大ニュースっぽいです(笑)

2019/07/22

"One small step" から50年。アポロ11号の話。

昨日、2019年7月21日は、アポロ11号が月面に着陸した日からちょうど50周年でした。
アポロ11号。史上初めて人類が月面に降り立ったミッションです。

【参考】
宇宙情報センター / SPACE INFORMATION CENTER :アポロ11号
http://spaceinfo.jaxa.jp/ja/apollo_11.html


私は、僕らの生まれてくるずっとずっと前にはもうアポロ11号は月に行ってた世代なもので(笑)この機会に改めてアポロ11号・アポロ計画について調べてみたら知らなかったことだらけで。
(50年前って思ったほど前じゃないな、っていうのもその一つなんですがそれは置いといて…w ポルノグラフィティさん流行り始めたころ中学生くらいでした。印象的なフレーズですよね。)


中でも特に感動したのがこちらの動画。


"That's one small step for a man, one giant leap for mankind."
(一人の人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては大きな飛躍である)


人類で初めて月面に降り立ったニール・アームストロング宇宙飛行士の名言。
この言葉自体は知ってたんですが、後日のインタビューか何かで語った言葉だとばかり思いこんでいて。

ところがこの動画を見てみたら、実際に宇宙船から降りて月の地面に一歩踏み出した瞬間に言った言葉だったんですね。


この動画は当時のテレビ中継の映像&音声のようです。(宇宙船の側面にカメラが格納されていたそうです。)

はしごを下って、宇宙船(= LM, Lunar Moduleの略。発音は「レム」という風に聞こえます)の脚部に乗った状態で、地面の様子などを話してます。
そして動画の後半、「ではLMから降ります。(I'm going to step off the LM now.)」と言って、月の地面に一歩踏み出した後に、上記の言葉が。


なので「『今踏み出したこの一歩は』一人の人間の小さな一歩ですが、人類にとっては大きな飛躍です」くらいのニュアンスだったのかなと思ってます。

聞いた瞬間鳥肌が立ちました…。


Photo Credit: NASA
この写真に写っているのはバズ・オルドリン宇宙飛行士ですが、動画の中でアームストロング宇宙飛行士はこのお皿のような部分に乗って話していたのかと。


アームストロング宇宙飛行士のWikipediaにこの一連の日本語訳もあるのですが、若干誤訳がありそうな気がするので、後日私なりに訳したりなんかしてみたいですが今日はこのあたりで。

Happy Apollo 50th!


【参考】
One Small Step (Apollo Lunar Surface Journal)
https://www.hq.nasa.gov/alsj/a11/a11.step.html
ミッション中の会話の文字起こしと解説。